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第3回 ミート・アップ〜実況レポート

7月より始まった定例イベント《Finale ミート・アップ》の第3回目が、2013年9月25日(水)に開催されました。
《Finale ミート・アップ》では、開催ごとにテーマを設け、そのテーマに興味を抱かれたユーザーの皆様にお集りいただくというコンセプトで企画しております。


今回のテーマは【Finaleの操作方法、というより楽譜浄書の知識を深めたい人集まれ!】です。

参加対象を「楽譜浄書を生業としている人、あるいは職業にしたい人」と限定させていただき、10名の方々にお集りいただきました。

会場は、エムアイセブン・ジャパンが運営する《m-Ex Lounge》。

今回お集りいただいたのは、男性5名、女性5名の計10名。これまでより女性の方の参加比率が高いのは楽譜出版業界では多くの女性がご活躍されていることを反映しているのでしょうか。また、 参加者の年齢層が比較的低めだったことも特徴的でした。皆さん、仕事としてFinaleをご使用されておられる方ばかりです。

スタート時にお願いしている自己紹介コーナーでは、10名のうち4名がトロンボーン奏者であるという奇跡的な偶然も判明して一気に場が和んだりもしました。

さて、今回のプログラムは、大きく分けて(1)自分の作品を披露(2)ミニセミナー、の2部で構成されました。

プログラム(1)では、吹奏楽のスコア&パート譜一式や、ポピュラー音楽理論の書籍など、実際に商品化されている楽譜をお持ちいただいた方もいらっしゃいました。実際のFinaleファイルを作例としてご提供いただいた方もいらっしゃいました。

お持ちいただいた作品をカメラでモニターに映し出して、画面を皆で見ながら、制作時にこだわった点や苦労話などをご披露いただきました。他の方からの質問やツッコミも飛び交い、「ユーザー同士の交流」面ではこれまで実施してきたFinaleミートアップの中でも最も盛り上がった会となったのではないでしょうか。

プログラム(2)のミニセミナーでは、Finaleのレイアウトを自在に操るためにマスターすべき「ページフォーマット」の説明と、楽譜の表記上のルールやプロの楽譜浄書家がどんな点に気を配っているか、そしてFinaleの自動機能では処理しきれなかった箇所には手間をかけて調整する事例などを紹介しました。

休符を置く正しい位置についての説明。休符を上下方向に移動する際には、五線外であっても1間単位で動かす必要があります。

連桁のルールについての説明。下の画面はFinaleが自動的に連桁の連結をしたものですが、場合によっては符尾が長過ぎたり連桁が傾き過ぎていたりする場合があります。連桁のルールを知っているとそういった不整合を修正することができます。また、連桁と五線の干渉で生じる小さな三角形(隙間)を極力無くす作業もこだわりポイントの一つ。

特にオーケストラのスコアなどの小さな楽譜では、この調整をすると視認性が大きく向上します。

(クリックして拡大)

形のよいスラーをかける実習。

技術の高い楽譜浄書屋さんは、錯覚によって生じる音符配置の歪みを補正して、より視認性の高い楽譜を作り上げています。

例えば、左図最下段の1小節目と2小節目には同じ音価の音が並んでいますが、それぞれ1つ目の音と2つ目の間隔が異なって見えます。プロの浄書職人はこれを、均等に見えるように1ミリ以下の単位で調整を施しているのです。

上記のような浄書のテクニックに関するネタは尽きないもので、今回のミート・アップも予定終了時刻をオーバーしてしまいましたが、ご参加いただいた方々はそれぞれのお仕事に反映できそうなヒントをお持ち帰りいただけたのではないかと思います。

浄書をテーマとしたセミナーはとても人気が高いので、いずれ続編を実施したいと考えております。

第4回目は2013年10月29日、いつもとは趣向を変えて【オーディオ・インターフェイスでプレイバック音質が向上するってホント?】という、Finaleの操作からは少し離れたテーマで実施いたします。

次回のレポートもどうぞお楽しみに!


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